個性を自立力にするために興味を広げるべし

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言葉の発達が遅い子どもに絵カードを使うと、言葉の発達は遅れるのか?

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論文:AACと音声言語表出の促進:PECSを中心として

 

▼荒川コメント

言語発達の遅い子どもの支援に絵カード(PECS)を使うことがあります。私は発達障害の勉強を始める前までは、コミュニケーションに絵カードを使うと言葉の発達が遅くなるのではないかと、なんとなく考えていました。このような思い込みは多くの人が持っているのではないか私はと考えています。もし、言葉の発達が遅い子どもの親御さんがこのように考えていたら、これから受ける支援に対してとても不安になるでしょう。しかし様々な研究では、絵カードを使った方が言語発達が促進されるケースが多いことが分かっています。

例えるとすれば、絵カードは水泳のビート板のようなものです。ビート板があるから泳げない子どもでもプールに入って泳ぎの練習をしたり楽しんだりすることができます。そして少しずつ、ビート板がなくても泳げるように練習していきます。もし、ビート板がなかったら水に入るのが怖くなってしまうかもしれませんし、泳ぐ練習をすることも思うようにできないでしょう。そして結果的に、いつまで経っても泳げるようにはなりません。

絵カードもそれと同じで、まずはコミュニケーションがとれることの便利さや楽しさを感じることができます。そして少しずつ、音声言語を発することができるように練習していくことになるのです。

 

▼原文の要約

 PECS(絵カード交換式コミュニケーション・システム)に焦点を当て、AACとしての有効性と音声言語表出の促進に与える効果について諸研究の知見を概観し考察した。PECSの指導が絵カードによる自発的なコミュニケーション行動の獲得に有効であることに関しては、これまでの研究から十分なエビデンスが蓄積されていると考えられた。PECSの音声言語表出促進効果については肯定的な結果が報告されている一方、否定的な結果もあり、一様に効果があるとはいえなかった。そして、PECSで音声言語表出が増加したケースでは指導前からエコラリアや音声模倣などがみられる傾向があり、その観点からの検討の必要性が示唆された。また、使用に伴って音声言語表出の促進が報告されている身振りサインやVOCAなどの他のAACシステムに比較してのPECSの効果については、十分な検討がなされておらず、今後の課題になると考えられた。

 出典:http://ci.nii.ac.jp/naid/110007619287/