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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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・【随時更新】これまでに読んできた子育てや発達障害の周辺の本20冊以上
・子どもと一緒に見たいアクション成分高めのオススメ映画10作品以上(対象年齢別。ときどき更新)

ADHDの子どもを育てている研究者が考える、薬とのつきあい方

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発達障害に関する研究はものすごい数があります。これまでにおこなわれた研究は、薬に関する疑問に対してどのような答えを出しているのでしょうか。
  • 薬物療法の効果や副作用はどの程度のものなのか?
  • 発達障害の子はどのように成長していくのか?
  • 発達障害の子は親や兄弟にどのような影響をあたえるのか?
このような様々な視点から、発達障害と薬とのつきあい方を考えてみる必要があるのではないかと、私は考えています。そこでこの記事では薬物療法の良い面と悪い面をリストアップして、考えを整理してみます。

 

この記事の目的は「薬に関連することがらの情報提供」であって「服薬以外のやり方の否定」ではありません。そのことをふまえて読み進めてください。

ネットで「発達障害 薬」というようなキーワードで検索すると、お母さんたちの不安な声が溢れてきます。例えばこんな質問と答えのやり取りがあります。↓

  

 

▼薬物療法の良い面

①子ども本人の人間関係が良好に保たれる

クスリを飲むことについてADHD(注意欠陥多動性障害)の子ども本人にインタビューをした調査があります。その調査によると、子どもは薬を飲むことによって、家族や友達と仲良く過ごすことができることを喜んでいるということでした服薬することについてADHDの子どもはどう考えているか?
このように人間関係を保てることは、子どもの自尊心の発達にとって非常に重要なことですADHDの薬は、ADHDの子どもの自尊心と友人との問題を改善するか?
自尊心が損なわれることによって、攻撃性が高まったり、抑うつや自殺願望につながる恐れがあります攻撃性が高いことと、プライドが低いこととの関係とは?、 自尊心が低い若者には、自殺願望が生まれやすいのか?)。
必要なときに必要な薬を使うことによって、このような危険性を減らすことができるようになります。逆に、必要なのに使わないことによって、危険性を高める恐れがあります。
 

②親にかかる負担が減る:

核家族でお母さんが一人で子どもの面倒を見る家庭が多いですから、お母さんには大きなストレスがかかります。もし子どもが発達障害であったとしたらそのストレスはさらに大きなものになります子どもの気質、ADHD、保護者のストレスに関する調査)。
もしそのようなストレスがかかり続けたらどうなるかというと、親はうつ病になってしまう危険性があります(赤ちゃんの性格が難しいと、産後うつになりやすいのか?)。
もし、子どもの面倒を見る親が病気になって子育てができなくなってしまったら、その家の子どもはどうなってしまうのでしょうか?親との愛着の形成がうまくできなくなってしまうでしょう。そう考えると、親にかかる負担を減らすことによって、結果的に子どもが育つ環境を保つことにつながるという認識が必要だといえるでしょう。薬を使うことによって、親と子ども双方の健全さが保たれるという側面があります。
 

③きょうだいにかかる負担が減る:

発達障害の子どもは、そうでない子どもよりも親の手を多く必要とします。親の手が必要とされるということは、別の所には手が届きにくくなるということでもあります。仮に、発達障害の子どものきょうだいが比較的物わかりの良い子どもであったとしましょう。するとどうなるかというと、そのきょうだいの子の欲求が犠牲にされることが多くなる恐れがあるのです(注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもの、きょうだいからの報告)。
また、発達障害のある子はきょうだいとの争いに頻繁に遭遇することになるでしょう。きょうだい間の争いによって発達障害の子どもに与える影響も見過ごせないものがあるようです(ADHDの子どもとそのきょうだいの関係)。薬を使うことによって、他のきょうだいに与える悪影響を減らすことができるようになります。また、きょうだい同士の関係をよくすることによって、結果的にADHDの子どもの自尊心を保つことになります。
 
 

▼薬物療法の悪い面

①薬の副作用があるケースが多い?:

副作用はさまざまで、重さも人によって異なるようです(ADHDの子どもに長期に薬を使うと、どんな良い効果と副作用があるのか?)。用いる薬は子どもによって異なりますし、子どもの体質によって副作用の種類、程度が異なるようですから医師に確認しましょう。服薬した最初のころに現れてその後なくなる副作用もあるようです。
また、実際に薬を使ったときに親が子どもの行動の変化や副作用の現れ方を記録しておくと、後で役に立つでしょう。基本的には、薬が体から抜けてしばらくすれば、副作用も消失するようです。正しく服薬している限り、一生後遺症に苦しむというケースはまずないでしょう。
 

②親の都合で薬を用いるのは親の身勝手である?:

親の負担の増大がうつ病の危険性を高めることをお話ししました。このことから考えると、親の負担を減らすために子どもに服薬させることは、親の健康にとってきわめて重要な選択肢であるといえます。これは同時に、子どもの育つ家庭環境を保つためにも重要なことであると言えるはずです。ですから、子どもに服薬させることが「親の身勝手」という表現はふさわしくないと私は考えます。身勝手というよりも、「親子双方の利益のための妥協案」という表現のほうが正確なのではないでしょうか。薬物療法を予防注射に例えて考えてみると分かりやすいかもしれません。
 
 

▼薬物療法を予防注射に例えて考えてみましょう

子どもは予防注射をとてもいやがります。ですが、多くの親は子どもの健康のために予防注射をうけさせます。では、いやがる子どもに予防注射を受けさせるというのは、親のエゴで許されないことだと言えるのでしょうか?現実には当たり前に受け容れられていますね。では、子どもへの予防注射は当たり前に行われているのに、薬物療法をすることは許されないのだとしたら、その理由は一体なんでしょうか?改めて考えてみてください。
 
 

▼薬物療法と併用することが望ましいもの

ペアレント・トレーニング:親の関わり方によって、発達障害の子どもの行動はある程度はコントロールしやすくなります。親の成長によっては、薬の量をいくらか減らすこともある程度はできるようです(発達障害の子どもに必要なのは薬?家庭での教育?それとも両方?)。子どもに対する教育は↓のリンクにいくつかのやり方が示してあります。
 
▼まとめ
ここでは主にADHDを中心に考えましたが、自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群)や広汎性発達障害でも参考になると思います。このようにして考える材料をリストアップして、利益と損失をてんびんにかけることはとても大切なことです。恐らくここには、今まで考えに入れていなかった情報もあるでしょう。新しい情報を含めて改めてとについて考えてみてください。手のかかる子どもの家庭や学校での様子、親の体力や精神的な状態、きょうだいがいるのであればきょうだいの様子。その上で、薬物療法という選択肢をどうするのか考えてみましょう。
今のところは大丈夫そうだという結論もあるでしょうし、一度医者にかかって話を聞いてみようということもあるでしょう。また、しばらく薬を使ってみて様子を見ようということもあるでしょう。
 
 
▼荒川コメント
うちの4歳の子は今後、広汎性発達障害と診断されるようになるはずです。大変、手のかかる子どもですが、今のところまだ服薬はしていません。今後はもしかしたら必要になるかもしれないという心の準備はしてあります。
うちは、両親ともに健康上の不安を抱えているのでより一層、自分たちの健康と子どもの服薬のバランスについて考える必要があります。そのような状況の中で、彼の20年後を見据えたときに親としてどうするべきかを、親の立場から考えて書いたのがこの記事でした。