この調査は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といじめの関連について調べます。調査対象はノルウェーの中学2〜3年生の男女963人です。
いじめの頻度に対する回答は、毎日あるのが男8.9%、女4.1%。週に数回が男5.6%、女4.3%。ときどきあるのが男29.8%、女32.8%。ないと答えたのが男55.7%、女58.7%でした。
男子と女子を比較すると、男子の方が女子よりも2.27倍多い頻度でいじめを受けることがあるようです。
いじめられた経験があると答えた生徒のうち、男子27.6%、女子40.5%にPTSDの症状があることが分かりました。
また、いじめは被害者になるだけの場合よりも、加害者と被害者の両方になる場合が多いようです。
これらのことから、いじめはPTSDの症状を起こすリスクのあるものだと言えそうです。
▼荒川コメント
- PTSDが起こる状況の例には、自分や身近な人が交通事故にあうこと、自分や身近な人が深刻な病気にかかること、家庭内や地域で暴力の現場を目撃すること、などがあります。このような辛い状況に匹敵するだけの悪影響を持つのがいじめだということを知っておく必要があります。
- PTSDの症状は、眠れなくなる、食欲がなくなる、突然怒りの感情がこみ上げる、フラッシュバック(いじめられたときの映像がよみがえる)、などがあります。うつ病の症状にも似ている面があります。このようなことを理解した上で、いじめの被害者には必要なフォローをしていく必要があります。
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