この調査では、いじめられていることを誰かに知らせる生徒の特徴について調べます。調査対象は、アメリカの6つの中学校の生徒2437人です。知らせる相手は、先生、親、カウンセラー、その他の学校の大人(校長先生など)、きょうだい、友達、その他、です。
結果は、いじめられた経験があると答えた生徒は898人(36.8%)でした。このうち、誰にも知らせないのは25%でした。大人(先生、親、カウンセラーなど)に知らせないのは40%でした。
誰かに知らせようとするのは、男子よりも女子に多いようです。また、学年が低い方が知らせようとする割合が高いようです。
また、生徒から見たときに学校がいじめを許容している雰囲気がある場合、いじめられていることを知らせにくくなるようです。また、親のしつけの仕方が威圧的である場合も同様に、いじめられていることを知らせにくくなるようです。
原題:Middle School Victims of Bullying: Who Reports Being Bullied?
▼荒川コメント
いじめられていることを早いうちに知らせることによって、いじめの深刻化を防ぐことができます。ですから、知らせることができるようになるにはどうすればいいのかを知ることは重要です。
▼学校での対策としてはこんなことができるでしょう。
①いじめとはどんな行動をさすのかを教える
②いじめることによって加害者と被害者の両方がどんな結果になるのか教える
③いじめにあったり、いじめを目撃した時に誰に知らせるのか教える
④いじめを大人に知らせることは正しいことだと教える
▼家庭での対策としてはこんなことができるでしょう。
①日頃から子どもの考えややり方を尊重して、話しやすい雰囲気を作る。(ただし、暴力や暴言はいけないと教えること。責任を果たすことや、何かをやり遂げることの重要性を教えること。)
②日頃から子どもの様子を見ていること。毎日のことをお互いに話し合うこと。
③「学校での対策」の①〜④の内容について教えること。
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