
DVは人権の侵害であるだけでなく、被害者にうつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の精神障害を生じさせます。この調査ではロンドンの産婦人科において、DVを受けている女性の割合を調べました。
調査に協力してくれたのは200人です。23.5%の女性が過去にDVを受けたことがあることがわかりました。また今現在、妊娠中であるにもかかわらずDVを受けている女性は3%いました。
DVを受けた経験がある女性は、独身、離婚、同棲していないことが多いようでした。これらの女性はうつ病や難産の傾向が強いようです。妊娠する前年や妊娠中に喫煙をしている女性も多いことがわかりました。
産婦人科に携わる専門家が、DVに関する教育やトレーニングを受ける必要性は高まっていくでしょう。
▼荒川コメント
- 暴力はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすことが知られています。PTSDが発症すると、フラッシュバック(日常で突然、恐怖がよみがえること)、不眠、怒りの爆発などの症状が現れるようになり、日常生活を送るのが非常に難しくなります。
- 妊娠中の女性が恐怖や不安にさらされることによって産後うつのリスクが高まることが知られています。DVだけでなく、旦那さんとのコミュニケーションの不足も不安につながるようです。旦那さんは妊娠中の奥さんの話に耳を傾け、安心できるようにしてあげましょう。
- 産後うつはお母さん本人が苦しいだけではありません。産後うつによって、誕生した子どもが必要とするスキンシップや日常の世話を提供できなくなってしまいます。スキンシップが与えられないことによって、子どもの人格形成に大きな悪影響を生じさせることが分かっています。女性に対するDVの影響は子どもにまで波及していきます。
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