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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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発達障害といじめ①:いじめの定義といじめの7種類を知りましょう

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自閉症スペクトラムやADHD(注意欠陥多動性障害)という発達障害のある生徒は「いじめ」を受ける危険性が高いことが分かっています。いじめとは何?いじめを防ぐためにできることは?発達障害のいじめ被害の特徴は?「発達障害といじめ―“いじめに立ち向かう”10の解決策」の読書メモです。

 

 

 

▼そもそもいじめって何?

そもそも何をすることがいじめなのでしょうか?いじめの定義について考えることはとても大切です。なぜなら、自閉症スペクトラム(ASD)がある子どもの場合には、事前にどのようなことをされたときにいじめだと認識するかを伝える必要があります。

また、いじめをしている子に対して「いじめは良くないよ」と言ったときに「自分はいじめはしていない」と言われることもあるでしょう。そのようなとき子どもには、本当にいじめている自覚がない場合もあるでしょうし、いじめているつもりはないという言い訳をしている場合もあるでしょう。

子どもに対していじめがどのようなものなのかを説明できるようになるためにも、いじめの定義を確認しましょう。いじめとは以下の3つを満たすものです。(注:本書に書かれている表現を解釈して、荒川が理解しやすい表現へと変えています)

いじめの定義

  1. 標的にされた個人に対して長期間にわたり、悪意と結びついている可能性のある否定的行為を繰り返す。(ただしいじめは、一度限りのものとして行われることもある。)

  2. 双方の力のアンバランスさ。(力とは次の4種類です。腕力などの身体的な力、言葉を操る言語的な力、グループを作るなどの対人的な力、「空気」を読んで状況を理解する力)

  3. 標的にされた個人の感情が落ち込むのに対し、否定的行為を行った個人の感情には落ち込みは起こらない。ただし発達障害を持つ子どもの場合、いじめられている最中ではなく数時間〜数日後になって落ち込みなどの感情的影響が表れるという特性を持つ場合がある。

 

 

▼いじめの種類

いじめの定義が当てはまる否定的行為には全部で7種類あります。

1 言葉によるいじめ

話し言葉や文章などで否定的行為を行います。例として、悪口、否定的コメント、脅し、相手を怖がらせるような電話を掛ける、悪意メールを送る。

2 身体的いじめ

標的となる個人の体に痛みを加える目的で行われる行為です。例として、押す、引っ掻く、肩で押す(ぶつかる)、たたく、つまずかせる、噛み付く、髪の毛を引っ張る、ける、平手打ちにする、嫌がる性的接触を行う、ものを破損する、個人の所有物を破壊したり隠したりする、相手をにらみつける、けなす意味のジェスチャーをする。

3 社会的いじめ

標的となる個人の対人関係に問題を生じさせる目的で行われる行為です。例として、話し言葉または書き言葉によるゴシップ、個人の情報を公開し流布する、誰かを罠にはめる、誰かを疎外する。

4 実験的いじめ

相手がどんな反応をするのかを確かめるために行う対人実験を指します。好奇心で行っていて必ずしも「いじめる意図」がない場合があります。この場合に問題となるのは「いじめるつもりがないから、いじめではない」という主張です。しかし、倫理的に許されない方法で行われる実験はやめさせる必要があります。

例として、上着の背中にチョークで「バカ」と書く、「吠えろ」と命じて吠えさせる、犬が猫よりも賢いと思っているASDの子に対して「猫の方が犬より賢い」とわざと言ってパニックを起こさせる、など。

5 屈折したいじめ

表面的な態度と心の中にある考えや感情に著しいギャップのある行為を指します。例えば、「握手をしよう」と手を握って相手を引きずる、遊びに行った家から物を盗む、友達になりたいと言ってお金をや物を要求する。

ASDの生徒は他の生徒なら見破ることができるようなサインを見極めることができずこの種類のいじめを回避することができないケースがあります。

6 理不尽な情報と理不尽な要求

このタイプのいじめは、親しげなジェスチャーの後に、場面にそぐわない要求がされます。例えば、「幸運」に興味のあるASDの子に対して「休憩の時に服を脱いでくるくる回ると幸運がくる」と教える、「先生に渡しておくよ」と言って昼食代をだまし取る、ASDの子に親しげに近づいて「ズボンを脱げ」と言って従わせた後に先生に「ASDの子が一人でズボンを脱いでいる」と報告する、などがあります。

屈折したいじめと同様に、ASDの生徒は他の生徒なら見破ることができるようなサインを見極めることができずこの種類のいじめを回避することができないケースがあります。

7 大人による教育的いじめ

教師と生徒の立場の違いは「双方の力のアンバランスさ」(いじめの定義の2番目)を生み出す恐れがあります。例え教師の意図がいじめではなく教育や善意であったとしても、教育的いじめは起こる可能性があります。

教育的いじめの例としては、生徒が提出した宿題のできていない点についてだけ指摘し続けるような指導のやり方です。このような欠点の所在を指摘するだけの指導は、教師と生徒の力のアンバランスさ助長することとなり、結果的に教育的いじめの状態になってしまいます。

教育的いじめの状態になることを避けるためには、今現在できていることを十分に評価した上で、不足する点を改善するためのやり方にガイドしていく必要があります。

発達障害の子どもに対する教育においても教育的いじめが生じる可能性があります。教育を行う際に表れるいじめの側面について自覚的である必要があります。

 

 

 

 

 

 

▼まとめ

  • 3つの定義を満たすものをいじめと呼びます
  • 3つの定義を満たすいじめには7種類あります
  • 意図せず、周囲の大人による教育的いじめが起こることがあります

photo credit: Chesi - Fotos CC via photopin cc