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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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・【随時更新】これまでに読んできた子育てや発達障害の周辺の本20冊以上
・子どもと一緒に見たいアクション成分高めのオススメ映画10作品以上(対象年齢別。ときどき更新)

ホリエモン少年の未来を虐待から守ったのは理解ある先生だった:堀江貴文「ゼロ」

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ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく

堀江貴文「ゼロ」読了。辛い子ども時代を過ごしてきた堀江氏が成功を収めていることは、どのくらい奇跡的なことなのか考えてみましょう。子どもの発達支援に関わる立場としての考えを書いてみます。

 

▼親から暴力を受ける、包丁を向けられる

堀江氏は子どもの頃、口答えをすることを許されない家庭環境にありました。お父さんに口答えをしたらビンタをされたり、庭の木に縛り付けられるという身体的虐待をされていました。自分の主張をすることがまったく許されない状況というのは感情的虐待に相当します。堀江少年は体も心も虐待を受けている環境で生活していました。

お母さんはお父さんよりもさらに激しく、堀江少年に包丁を向け「あんたを殺して私も死ぬ」と怒鳴ることもあったそうです。これは強烈な恐怖を伴う体験であったはずです。強い恐怖体験にさらされた子どもはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を起こしてしまう可能性があります。

PTSDの症状は以下のものです。

  • その状況が再現されたような感覚が日常で起こる(フラッシュバック)
  • 眠れなくなる
  • ささいなことに驚く
  • 身の安全を不安がる
  • イライラしたり怒りが爆発したりする

PTSDを発症すると日常生活を送るのがとても難しくなってしまいます。例えば電車の事故に遭遇した人はそれ以降、電車に乗ることができなくなってしまうことがあります。精神的にも社会生活の面でも非常に大きな困難が生じることになるのです。(参考:体罰の被害および目撃とPTSDとの関連、長期的な影響について) 

 

▼心的外傷体験は人格をゆがめてしまう

PTSDを起こすような強烈な恐怖体験を心的外傷体験と言います。心的外傷体験は人格形成に非常に大きな悪影響を及ぼすことが分かっています。

PTSDは攻撃性を増加させます。攻撃性が増加することで、周囲とのトラブルを起こしやすくなっていってしまいます。また、フラッシュバックが起こることを不安に感じたり、いつも落ち着かない気分になって非常に神経質になることもあります。

長期間虐待を受けた経験のある子どもは大人になったときに、自殺、抑うつ、酒や薬物の乱用を起こすリスクが非常に高まることが明らかになっています。また、自分の妻や子どもに対して暴力を振るうようになるリスクも高まります。堀江氏がそうならなかったのは非常に幸運だったと言えるでしょう。どのような幸運なのかについては後ほど述べます。(参考:教育に熱心なすべての方へ、体罰の損益分析をお見せします

 

 

▼もしホリエモンに恩師がいなかったら?

私がこのような境遇に置かれた人について知るときに、とても気になるのは恩師の存在です。本書の中を探してみると、堀江氏にもやはり恩師(小学3年生の時の先生)がいました。

その先生は、堀江少年のありのままを受け入れてくれる人でした。普段、ことあるごとに大人から「協調性がない」と批判される堀江少年にとって、初めての理解者となってくれる存在だったようです。

もし、このような理解ある先生に巡り会って自分のことを尊重される体験が得られなかったら、堀江氏は今のように社会をよくすることを目的とした仕事をしていないかもしれません。逆に、その才能を犯罪に使ってしまった可能性さえあります(※)。実際に、虐待のある家庭環境に置かれてそのまま非行や犯罪に走ってしまう子どもはとてもたくさんいます

※堀江氏は約2年間、収監されています。ですが私の理解では堀江氏は冤罪ですから犯罪歴はないと認識しています。

 

 

▼ホリエモンの幸運とは、虐待に負けない性質と恩師

堀江氏が現在のように成功を収めているのは幸運以外の何ものでもありません。堀江氏が授かった幸運というのは、生まれながらに虐待に負けない性質を授かったことと、恩師と巡り会えたことです。

堀江氏が虐待を受けても道を踏み外してしまわない性質を持って生まれたことは大きな幸運です。また、虐待のある家庭に生まれながら理解ある大人に巡り会えることも非常に大きな幸運です。この2つの幸運のどちらか一つでも欠けていたら、今のホリエモンはいないでしょう

いまも実際に虐待を受けて辛い思いをし、未来をつぶされていく子どもはたくさんいます。特に、堀江少年のような「変わった子」や、発達障害のあるユニークな個性を備えた子ほど、虐待や無理解に遭遇するリスクが高いことが調査から分かっています。

 

 

▼虐待を減らせば世界の持続可能性が増える

虐待を受けるリスクが高い子どもはいろいろな意味で変わっていたり、育てにくかったりします。子どもの育てにくさから親にストレスが溜まり、子どもに対してつい手を挙げてしまうことも起こります。子どもが備えている才能の片鱗は、親にとっては非常に大きな育児ストレスをもたらすものでもあるのです

もし、親に大きな育児ストレスがかかる現在の状況を変えられたとしたら世界はどのように変わるのでしょうか?虐待を受けずに理解されながら育つ「変わった子」が増えれば、それだけ世界に多様性が増えていくといえます。多様性が増えるということは、独特なアイディアから新しい技術が生まれやすくなるということでもあります。

例えば「自閉症を能力として使う動物学者:テンプル・グランディン」には、ウシにストレスがかからない牧場を設計し、動物愛護と牧場の経済性を両立させた事例が示されています。また、「障害と能力は紙一重。ADHDの有名人に学ぶ3つの有効活用の方法」には、ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性を利用して活躍している著名人を紹介しています。一般に「障害」と考えられている性質でさえ活用する道はあります。

このことをふまえて、私は体罰や虐待が起こりにくい状態を作っていくために「体罰を用いないで効果的に行われる子育て理論」を作ろうとしています。効果的な育児の方法を親が身につけることによって、虐待が起こるリスクを減らすことができます。体罰を用いない子育ての一例としては「ADHDの子の教育に不可欠なトークンエコノミーのやり方」を参考にしてください。

世界の持続可能性を高めるという大義名分のために、子育てのやり方を見直してみる機会を持ってみてはいかがでしょうか。

 

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