個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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・【随時更新】これまでに読んできた子育てや発達障害の周辺の本20冊以上
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「私と同じ苦しみを、子どもたちが受けずに済むように」:発達障害のある大人たちの願い

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私は仕事柄、発達障害に関わる様々な方とお話をする機会があります。

発達障害のある大人に多いのは、社会人になってから体調を崩されて病院に行き、そこで自分に発達障害があることがわかったというパターンの方です。そのような方の多くが口にすること。それは、

「私と同じ苦しみを、子どもたちが受けずに済むようにしたいんです」

 

自分がしてきた辛い経験を、誰かのために活かしたい。そう考えていらっしゃいます。発達障害に限らず、逆境を経験した方の中には必ずこのように「自分の経験を活かして欲しい」と願い、活動する方が現れます。震災に被災されて『語り部』として活動されている方。自分やご家族が事故に遭われてそれを今後起こさないようにするために裁判などで戦う方、などがそうです。

活動のやり方は人によって様々です。ある方は自分の経験を記事にして公開し、別の方は寄付という形でご協力くださり、私の仲間の一人は自分で教育のための仕組みを作りつつあります。

先人たちの過去の失敗を次の世代に活かすために、私が発達障害のある子を育てる一人の親として&子どもへの支援者としてやるべきこと。それを次のように考えています。


①学校で問題がないからといって、仕事をする場面で問題が起こらないわけではないことを理解する。

ある当事者の方はこんなことを教えて下さいました。

「私は大学まではわからないことがあったとき、教科書やネットで自分で調べて理解してきました。だけど仕事での分からないことになると、教科書やネットで調べられることも限られてしまいます。ですから職場の誰かに尋ねて解決する必要があるのですが、『誰にどうやって質問すればいいのか』が分からなかったんです。そして問題がたびたび起こるようになり精神的に追い詰められていきました。」

アスペルガーのある方は、明示的に示されていないことを「汲み取る」ことができにくいという特性があります。いわゆる「空気読めない」というやつです。この方の場合は「質問すること」について教えられる機会がありませんでした(これまでの経験の中で汲み取ることができませんでした)。そしてそのために結果的にこの方は体調を崩し、仕事を離れざるを得なくなりました。

このようなケースを繰り返さないために、私たちはこんなことを理解する必要があるはずです。

1:学校と職場では何がどのように違っていて、発達障害の特性にどんな悪い影響をもたらすのか理解すること
2:そして、悪い影響を取り除くために教育の場面でどんな活動を組み込んでいく必要があるのか理解すること

他にも先人たちは、様々な教訓を残してくださっています。


②今やっていることが、将来の何につながっているのかを、常に考えて教育を行う。

これは①の内容にも関わることです。①の例で言えば、仕事をしている場面で「質問すること」ができやすくなるような関わりを、日頃の教育の場面でも取り入れていく必要がある、と言えるでしょう。

他には、学校のカリキュラムにこだわりすぎないことも大切だと私は思っています。なぜなら、学校の勉強ができることと、自立して生きていけるようになることは別のことだという根本的な問題があるからです。

また、興味に極端なかたよりがあるのが発達障害という障害であるのに対し、学校のカリキュラムは色々なことをまんべんなくできるようになることを要求しています。障害特性に対してあまり優しくないのが学校のカリキュラムだと私は思っています。

このように考えた時に、私がやるべきことは「一人ひとりの興味を伸ばしながら、その興味を学力や自立の力につなげていく」というものだと考えています。「好きなことやってたら、いつの間にか色々できるようになってました」と成長した子どもに言わせられるようにすることが私の目標です。

 

③「自分の取説」を、子どもが自立した時のことまで考えて一緒に作成する。

私の仕事仲間であるADHD当事者のT氏(20代前半)は、「自分の取説」を十分にもっていません。彼は「自分自身との付き合い方」についてこれまで一切教えられてこなかったのです。

自分にどんな特性があり、どんな風に体調が変化し、どんな問題を起こしやすく、その問題のせいで精神的にダメージを受け、問題がさらに繰り返される・・・。問題を回避するためにどんなスキルを身につけられるか、スキルだけでは難しい点は薬を利用してみようか、薬を使った時にどんな風に体調が変化したり副作用が出るのだろうか・・・。

そういったことを学ぶ機会がまったくありませんでした。ですから今、彼は自分の仕事や学業をしながら、自分の特性に仕事の足を引っ張られてヘロヘロになりながら生活しています。もし、もっと小さい頃から自分の特性や、特性から引き起こされる問題をコントロールする術についてゆっくりと知る経験ができていたら、きっと彼は今より更に活躍することができたでしょう。

「自分の取説」の難しさは、個人によってうまくいくやり方が大きく異なる点にあります。発達障害と一言で言っても様々な特性や程度があります。発達障害がない人同士の違いよりも、発達障害がある人同士の違いのほうがずっと大きい可能性だってあるのです。ですから、「自分の取説」は手探りで作っていくしかないものなのです。

多くの成人の発達障害当事者は、「自分の取説」を持たずに生きてきました。そういった方々は、体調が悪くて仕事が十分にできない状態にある場合が多いです。仕事ができないので不安になって、体調が悪化するという負の連鎖に陥っている方もいます。自分自身のことを知らないというのは、きわめて大きなハンディキャップなのです。

発達障害には1次障害と2次障害がある、という言い方をします。「自分の取説」がない状態は「3つ目の障害」と言えるかもしれません。そして「3つ目の障害」を持つかどうかは、生活管理や薬との付き合い方について、周囲の大人がどこまでリアルに将来を見通して考えられるかにかかっています。

 

そして己(荒川)はどうするのか?

以上のように考えた時に、私は単に発信しているだけではもの足りないと思いました。そんな時に、上にも出てきたADHDのT氏が発達障害のある子どものための学びの場を作りたいと言い出しました。彼も「自分の苦しみを、子どもたちが受けずに済むようにしたい」と願っている当事者の一人です。

彼はADHDの特殊能力「思いついたら即、行動」を発揮して「クエスト・スクール」を作りました。特に許可を求められもしなかったのですが、当たり前のようにホーム・ページの講師紹介の欄に私のプロフィールも載っていました。彼独自のもう一つの特殊能力「愛されながら図々しさを発揮する」が成せる技です。

そういう事情でできたのが「クエスト・スクール」です。どうぞよろしくお願いいたします。東京23区を中心に「お子さんの興味を学力や自立の力につなげるための」カリキュラムを作る家庭教師を派遣いたします(23区以外の地域も応相談です)。詳細はこちらです。↓

http://quest-school.com