個性を自立力にするために興味を広げるべし

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クエスト型学習で興味を活かした学びをしよう!  

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クエスト型学習という学習方法があります。この学習方法はアメリカのニューヨーク州の学校などで取り入れ始められているものです。この学習方法の特徴は、「遊んでいるといつの間にか学力がついていく」というもの。つまり、子どもにとっては楽しく、親にとっては安心、というなんとも素晴らしい学習方法なのです。

詳細(英語)→http://upperschool.q2l.org/curriculum/overview/

「そうは言っても、クエスト型学習って具体的にどうやるの?」と思う方の疑問にお応えして、私と仲間たちでやっている「シムシティ」を使ったクエスト型学習の具体例をお見せします。

 

▼ゲームソフト「シムシティ」で何をどこまで学べるか?

現在私達が教えているTくんは理科の科目が好きです。生き物、電気の仕組み、地震、ピタゴラスイッチというものがとても好きなお子さんです。私達はそんなTくんにシムシティを使った教育をしようと考えました。

シムシティはかつてはスーパーファミコンでもありましたし、最近ではパソコンやiPadでも遊ぶことができるようになっています。

最新のシムシティでは発電方法も充実していて、火力、水力、原子力、風力という発電方式を色々と選ぶことができます。また、自分の街に大学などの教育研究施設を作ることによって教育水準を上げて、それぞれの発電方式を改良(イノベーション)してくこともできます。シムシティもどんどん複雑に、現実社会に近い内容を扱うようになっています。

 

▼身につく力その1:自己管理能力(自立のための力)

Tくんは元々、今やっている活動から別の関係ない活動にどんどんズレていってしまう傾向がありました。このような傾向は、良い側面としては「さまざまな対象に興味を持てる」と考えられます。一方、負の側面として「課題をやり遂げられない」があるとも言えます。

発達障害を能力として活用するためには、良い点を残したまま、負の側面を抑えるやり方を考える必要があります。そのように考えた時に、シムシティがどのように役に立つのか?いくつか考えられます。


もともとシムシティはTくんにとって興味のある素材が詰まっている教材ですから、そもそも気が散ることが起きにくい


教師がTくんの集中力の持続や力量に合わせた目標設定をする。これによって、徐々に集中力を持続する時間を伸ばしていく。(目標設定の例として、『30分で人口1万人になるようにやってみよう!』のようにしています)


目標に対して自分の現在の状態がどうなっているのか?目標に向かって、自分がどうしていけばいいのか?ということをTくんが自分でモニタリングするように適宜促していく。

このような点について考えてフォローしていくことによって、実際に自己管理能力が向上しつつあります。以前は教師が活動を提案した時にDSで遊び始めてしまって、本来の活動を十分にできないようなことが起こっていました。提案した活動がTくんにとって魅力的なものであったにも関わらずです。

ですが、最近は自分から「残り時間があと10分だから、別のことで遊ばないでもう少しやってみよう」などと言いながら活動することができるようになってきています(素晴らしい!)。

このような自己管理能力は、将来自立して仕事を行う際にも欠かすことができない能力です。将来の自立のために、今の活動をどのように捉えるか?そのような視点は、教育に欠かすことができないものだと考えています。教師の側がその子に合わせた目標設定や適切な援助を行うことによって、ゲームは自立のための力を育てる素晴らしい教材にもなるのです(逆に、漠然と遊ばせるだけでは十分な効果が得られない可能性があります)。

 

▼身につく力その2:学校の勉強に役立つ力(学力)

あらゆる遊びには、学校の学力と関連することがらが含まれています。シムシティだけでも小学校の4教科のすべてが含まれています。

①理科:発電方式の種類について知るだけでも、そこから様々なことに対して理解を深めていけるようになります。例えば風力発電のプロペラを立てるのは地理的にどのような場所が適しているのか?火力発電を住宅地の近くに立てるとどのような健康被害が出るのか?

②算数:お金などの計算(この発電所を立てるとこのくらいのコストが掛かって、このくらいの人数に電力を供給することができる)

③国語:当然、いろいろな言葉や漢字が使われています。分からない言葉があれば、教師に聞いて学ぶことができます。また、「自分でGoogleで調べて理解する」という力を育てるように促していくこともできます。

④社会:学校を立てると、人の学力が上がって、テクノロジーが進化する、というような社会の仕組みを感じることができる。このことから教育の重要性について理解することができる。

⑤番外で英語:英語版しか作られていないあるゲームをやりたくて、自分で英語を勉強していたら高校英語の偏差値が70になったという猛者がいます。(今回教材にしているシムシティは日本語版です)

以上のことから、ゲームや遊びも目的設定をしっかり行うことによって学校の勉強につながることがわかると思います。

ただ自立のための力を育てるときと同様、漠然とやらせているだけでは十分に学力につながるようにはなりません。現状の子どもの興味や学力の状態をしっかりと把握し、それを基に学んでもらう内容を考えて提供してくことが大切です。

 

▼身につく力その3:パソコンの扱い方

現代ではパソコンは欠かすことのできない道具になっています。ですから、パソコンの扱いに慣れる機会を作ることはとても大切です。子どもがパソコンに慣れるために必要なのは「パソコンを使いたい!」と、子どもが考える状況を作り出すことだと私達は考えます。

そのような意味でも、Tくんにとってシムシティは良い教材です。一言で「パソコンを扱う」と言っても、さまざまなスキルと知識が必要です。子どもがパソコンのまったくの初心者である場合、例えば以下のようなことができるように促していく必要があります。


マウス(トラックパッド)の使い方、キーの配置がどうなっているか、どのキーがどんな役割なのか、という極めて基本的なこと


わからないことがあったときの対応。Googleを開いて、キーワードを入力して検索する、検索してヒットした内容のどこを見ればいいのか判断する

このようなことについて慣れていくことができるようになります。パソコンの扱いに慣れていけば、自ずとシムシティ以外のパソコンの使い方についても触れる機会が出てきます。子どもの興味の方向性によっては、webデザインやプログラミングという「食っていくことをイメージしやすい」方向に促していくこともできるでしょう。

その他に、SNSを使う上での注意点、ネット上でのマナー(ネットリテラシー)などについて伝える機会を設けることも大切になるでしょう。

 

▼注意!

今回はシムシティを利用した学びについて紹介しました。これはあくまで「Tくんがシムシティと相性が良さそうだ」という考えに基づいてシムシティを選択したということに過ぎません。

従って、どんなお子さんにもシムシティをやらせればいいというものではなく「その子の興味関心がどこにあるのか?」という考えに基づいて教材として利用する素材を選んでいく必要があります。

 

▼告知

以上のようなことを実際に行っているのが、クエスト・スクールです。子どもの興味や適性を見極めながら、日々の授業を個別に作っていきます。東京・神奈川を中心に家庭教師を行っております。どうぞ御覧ください。

 

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