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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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約束を守れない→信頼を失う:ADHDの特性がもたらす問題の中でもかなり深刻かも

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私は、人と人との関係において信頼関係が最も重要だと考えているので、信頼関係が損なわれることを「深刻な問題」と考えています。発達障害疑いの子どもを育てていたり、ADHD的な特性のある子への対応をしていると、このようなことを考えることがときどきあります。ではADHDのどのような性質が、最終的に「信頼を失う」ということろまで向かわせてしまう恐れがあるのか?原因と対策について考えてみましょう。

ADHDについてのおさらい

ADHDの3つの障害は、注意の障害、多動性、衝動性、です。これらが混ざり合うことによって起こる問題の一つに「汚部屋」の問題があります。

汚部屋は、部屋がとんでもなくひっ散らかった状態です。なぜそんなに散らかるかというと、「片付けようと思って何かしていると、別の何かに気を取られる」んです。これが繰り返されて、結果的にどんどん本来の目的とは違う方向に進んでいってしまい、汚部屋になってしまうのです。

ADHDの人がぶつかる困難は汚部屋ができる原因と基本的に同じで、「何かに気を取られて、本来やるべきことを見失う」ことが共通しています。

では、もしこの性質が、誰かと交わした約束や契約において現れるとどんな結果になるか?当然、約束を破ってしまうということになります。そして、約束をやぶることが繰り返されると、信頼を失います。最終的に、その相手との関係が壊れてしまうようなことにもなっていってしまいます。

例え、本人にADHDの特性があるために約束を守れないことがあると周囲が分かっていたとしても、引き起こされてしまった問題の深刻さによっては人間関係が壊れてしまう恐れがあります。ですから、「障害理解」とは別の問題として信頼に関する問題を考える必要があります。

 

 

約束はなぜ大切なのか?

このように考えた時に、「約束を守ること」を子どもの頃から少しずつ、学びやすいやり方で経験できるように導いていくことがとても大切だと考えています。約束を守ることがなぜ大切なのか?私なりに考えてみると以下のようになります。

1:約束を守れることが、周囲の人を大切にすることにつながる

2:約束を守れることが、仕事(自立)の基本である。

 

 

1:約束を守れることが、周囲の人を大切にすることにつながる

冒頭で述べたとおり、約束を守られることは、人が信頼して安心して過ごすために欠かせない条件です。逆に、どちらかの人が約束を守れない関係においては、もう片方の人が安心して過ごすことができなくなってしまう場合があります。

例えば、奥さんにとって大切な予定がある日に、旦那さんに子どもの世話を任せる約束をしたとします。ですが、旦那さんが当日になって「やっぱ、子どもの面倒見るのキャンセル」と言ったとしたら、奥さんはどうするでしょうか。

恐らくその奥さんは、自分の予定をキャンセルして子どもの面倒を見て、キャンセルしたことによって生じる何かへの対応をして、ヘトヘトになって、こんな状況を招いた旦那さんを恨むことになり、夫婦の関係にヒビが入ることになります。そしてもし、約束を守ってもらえない&対応に追われることが繰り返されるようになると、夫婦仲が悪くなるばかりではなく、そのうち奥さんはうつ病などの病気になってしまう恐れもあります。

今後も、奥さんは旦那さんに何かお願いしたいことが出てくるかもしれませんが、基本的に信用できないので旦那さんには頼まないという選択をするようになるかもしれません。せっかくの家族なのに、何だかとても残念な関係になってしまいます。

旦那さんによっては「余計なことをしないで済むようになった」とポジティブに(?)考える人もいるかもしれません。ですが、そうなると「そもそもなぜ、あなたは結婚したんですか?結婚の際に約束したことを忘れたんですか?」という問題が生じます(ここまで考えるのはぼくだけ?)。

ここでは夫婦関係を例としましたが、この関係が、友人同士、親子、恋人同士、仕事の同僚同士、仕事の上司部下の関係、などあらゆる関係の中で同様の問題が生じるようになっていきます。逆に、約束に対して適切に対応できることによって、人間関係は安心で豊かなものになっていく、ひいては相手の人を大切にしていくことにつながるのだと思います。

また、仮に本人に悪意がなかったとしても、約束をあまりにも破り続けるとモラハラ(モラル・ハラスメント)とみなされる恐れもあります。

 

 

2:約束を守れることが、仕事(自立)の基本である。 

約束(契約)をして、その約束を実行することが仕事の基本です。ですから約束を守ることは大切です。 仕事とは、次のことを決めることによって行われるのが基本です。

【誰が、何を、いつまでに、どこで、どうやって、誰に対して】行うのか。これを約束します(仕事をする側とお金を支払う側の双方が約束するのが契約と呼ばれるものです)。そして約束したことの1つ1つを最後まで完了して、相手の人に成果物を手渡すまでのプロセスのことを、多くの人は「仕事」と呼んでいるようです。

もし、約束を取り交わした片方の人にADHDの特性があって自分が約束した内容を忘れたり見失うことになると、もう片方の人から「約束を破られた」と見なされることになりかねません。仮に、ADHDの特性があると相手が理解している場合においても、信頼を損なってしまうケースはあるはずです。

なぜなら、仕事とは基本的に一人ひとりの人が、責任をもってやり遂げることを前提として、組織や社会の中でさまざまに分担しているからです。もし、一部の仕事に抜けがあるとしたら組織全体としての仕事が完成しなくなってしまいます。そして全体の仕事が完成しないということは、組織としてその仕事を最終的に受け渡すことになっている相手(お客さん)との約束を果たせなくなってしまうことになります。そして結果的に、組織全体としても信頼を失ってしまうことにつながる恐れがあります。

そしてさらに、そのお客さんだって、自分のお客さんに対する約束をしているはずで、その約束が果たせなくなります。このように、約束というのは、AさんからBさんに対して交わされ、さらにBさんからCさんに交わされ、、、、ということが繰り返されているのです。約束をしている本人同士から見たら、約束は本人同士だけのものに見えるかもしれませんが、そんなことはありません。約束は社会の中で複雑に絡み合って影響しあっているのです。

実際には、信用を失ったり迷惑をかけたりしないために、誰かが守れなかった約束を他の誰かが肩代わりとして奔走することになります。肩代わりしている人だって別の仕事があるはずで、このような対応を繰り返されていたらこの人だっていつか倒れてしまったり、うつ病になってしまう恐れがあります。

 

 

「約束」は、そもそも付き合い方が難しいもの

約束を守れることは人間関係を保っていくために欠かすことができないものであること。そして、【誰が、何を、いつまでに、どこで、どうやって、誰に対して】やるのかを約束し実行するのが仕事というものの本質であること。ここではそういうことを確認しました。これらを踏まえると、約束と「適切に」付き合うことがとても大切だという結論に至ることができるでしょう。

「適切に」と強調したのは、約束の中にはわざと不公平に作られたものもあれば、状況によっては守られなくともやむを得ないものもあるからです。また、ADHD傾向のある人の場合には、ある程度は「周囲に不便を許容してもらう」必要もあるかもしれません。ですがだからといって、「周囲の権利をないがしろにする」事態は避ける必要があります。ですから、約束を交わす人同士で「これは少しなら守れないことがあっても仕方ない」「これは絶対守ってほしい」「この仕事は任せない」というように、かなり綿密にルールを作る必要があるのかも知れません。そして一度そのルールに同意したら、お互いに誠実に約束を果たしていく必要があります。

このように考えると約束というものそのものが、とても難しいものなのです。だからこそ、子どものうちから、特にADHD的な特性のある子どもには、約束と適切に付き合えるように導いていくことが必要です。「約束と適切に付き合える」ようになることによって初めて、ADHD特性を能力として使えるようになるのだとも私は思っています。

「約束を守る力 = 自立力」を育てるために、私は自分で対応しているお子さんに対しては「お小遣いプログラム」というものを勧めることがあります。お小遣いプログラムは、ご家庭の状況に応じて「守ってほしいこと&仕事」と報酬のリストを作り、それに沿って行動していくことを後押しするものです。お小遣いプログラムについては、またいずれ改めて書いていきます。

 

 

告知

わたくし荒川はクエストスクールという家庭教師の会社の共同代表を務めております。個性を自立力にするための授業計画を実施していきます。対応地域は東京・神奈川です。お小遣いプログラムについても、ご家庭の状況に合わせてご提案しています。

http://quest-school.com

 

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