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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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炎上や罰というものについて中高生にどう教えれば良いのか?正義感による晒し行為も犯罪になる恐れ

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ネットには炎上と呼ばれる現象が起こります。炎上というのは、誰かの何かの誤ちに対して、過度の批判や暴言を浴びせていったり、個人情報をネット上に晒していく行為であると私は理解しています。ものごとに対して批判的に考え発言していくことの重要性を認めつつ、「誰かの何かの誤ち」に対してどのような態度で対応するのが適切なやり方であるのか考えてみます。

 

※ネット用語がわからない方にも読みやすくするために、表現を分かりやすくしてあります

 

違法ダウンロードしたゲームでゲーム実況していた子への炎上騒ぎ

話を分かりやすくするために、極端ですが実際に起こった事例を引き合いに出します。

Aくんという10才代の子どもがゲーム実況をニコニコ動画やYoutubeのようなシステムで動画配信をしていました。その動画の中で、Aくんが、自分が遊んでいるゲームは違法ダウンロードしたものであることを、ほのめかしました。そして、その動画を見ていた視聴者の中の一部の人は次のような炎上騒ぎを起こしました。

 

炎上の種類

炎上とひとくくりにされますが、この件では以下のようなことがあったと分かっています。

  1. 「それは、やっちゃダメでしょ」のような、適切な言い方でたしなめるメッセージを送る
  2. 「よう、泥棒の○○くん」(意訳)という罵詈雑言のメッセージを送る
  3. Aくんの動画に偶然写り込んでいた実名から個人情報を特定し、晒し行為(ネット上に拡散)をする。
  4. ネットショップのアカウントを乗っ取り、買物をする。

「炎上」の中にはこのくらい幅広い行為が含まれていることになります。

 

 

誤ちに対してどのような態度をとるか?

私の場合は、発達障害のあるお子さんに対する教育を守備範囲に含めていることもあって、「罰を与えるだけ」というやり方は絶対に取りません(私の場合は罰というよりも、スポーツの反則に対して行われる「ペナルティ」という表現の方がしっくり来ます)。

ペナルティの与え方や種類、強さについても非常に慎重なやり方を検討する必要があると考えています。ペナルティはやり方を間違えると、誤ちが繰り返されるばかりか、問題となる行動がさらに悪化する恐れさえあります。目的はあくまで「誤ちを繰り返させない」ということであって、周囲の人のうさ晴らしであってはなりません。

従って、上記の炎上騒ぎで私が許容でき、かつ、必要だと考える対応は[1]のみです。

 

 

2〜4を行っている人の考え方のヒントとなるもの

私のような考え方がある一方で、ネット上には次のような考え方もあるようです。いかのようなコメントを匿名でする人も実際にいます。

  • 悪人懲らしめるためなら何やってもいいし 私刑こそがネットの正義
    ※私刑とは、法律を根拠にするのではなく、自分で勝手に相手の罪の重さを判断し罰を与えること。日本は法治国家なので私刑は避けるべきです。
  • 犯罪者に人権はない

以上のいずれの考えも事実とは異なっています(懲罰には限度があるし、犯罪者にも人権はある)。

では、このような考え方に対してどのようなやり方で反論をする必要があるのでしょうか?私自身が発達障害に関連する支援を行っていることから、このような主張をしている本人が発達障害のある方である可能性も想定しながら説明していきます。 

 

2:「よう、泥棒の○○くん」(意訳)という罵詈雑言のメッセージを送る

[2]のやり方では「誤ちを繰り返させない」ためのやり方として適切とは言えません。また、人権保護の観点からも許容できません。

法律家に具体的に相談すれば、何らかの触法行為と認められる可能性もゼロではありません。

 

3:個人情報を特定し、晒し行為(ネット上に拡散)をする。

個人情報をネット上に晒す行為はプライバシー侵害といい人権上の問題に該当するようです。また、被害の大きさによっては名誉毀損という罪に問われる恐れもあります。

名誉毀損への罰:その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金。

 

また、[3]のやり方は、村八分(むらはちぶ)という日本の昔ながらの懲罰のやり方を、現代の日本人が焼き直ししているもののように私には見えています。

村八分とは、昔の農村の中で何かの誤ちを犯した人を村人全員でシカトするという罰です。学校でも「シカトする」というイジメがありますが、そのルーツは村八分にあるのではないかと私は見ています。21世紀のハイテク社会になっても、その社会の中で用いられている罰のあり方は、昔と何も変わっていないのだと、残念な気分になります。

実際に農村で行われた村八分に対する法的な扱いついて調べてみたところ、村八分を行った加害側を脅迫罪とした判例もでているということです。脅迫罪に対しては、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。

注:ちなみに、私は法律の専門家ではないので、「個人情報を特定し晒し行為をすること」が村八分に該当するのかは、判断できません。しかし晒し行為をしている加害者の意図としては、「悪いやつがいる。みんなで罰を与えろ」という考えがあるのではと捉えていますので、この記事ではこのような理路をたどっています。

 

▼村八分に関する法的な見解が示されています。

放送禁止用語でもある「村八分」 これって法律的にはどんな制裁があるの?|相談LINE

判例から見た村八分

 

 

4:他人のネットショップのアカウントを乗っ取り、買物をする。

これは明らかに犯罪です。不正アクセス禁止法という法律があって、この法律に違反した場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。

また、勝手にクレジットカードを利用して買い物をしたわけですからこれに対しては別の法律が適用されることになるでしょう(窃盗罪とか?法律の専門ではないのでご容赦を)。

 

 

ちなみにゲームの違法ダウンロードの量刑は

ゲームの違法ダウンロードが以下のどちらの法の対象となるのかわからないので併記しておきます。

著作権侵害:10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

違法ダウンロード法(禁止法):2年以下の懲役又は200万円以下の罰金

ちなみに、

名誉毀損:その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金。

不正アクセス禁止法:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 

このように全てを比較した時の、量刑の違いを大きいと見るか、小さいと見るかは読む方にお任せします。いずれも違法行為である点は同じではあるのですが。

繰り返しますが、日本は法治国家なので私刑は避けるべきです。私刑の動機が「間違いを正すべきだという正義感」であったとしても、やり方を誤ると結果的に犯罪とみなされる恐れがあります。

 

 

人権はすべての人に保証されている

基本的ですが見過ごされていることが多いのは、「あらゆる人に人権は認められている」ということです。誤ちを犯した人、犯罪を犯した人にだって人権は認められています。そう考えた時に「誤ちを犯した人の人権を犯す」という人道上の誤ちに対してだって目が向けられるべきだと私は思います。

大切なことは、裁く直接の立場にある当事者や公的な機関が、罪の重さに応じたペナルティを判断して課すことだと私は考えます。

 

 

炎上させる側が抱えるリスク

炎上が起こる背景には、誤解が拡散して、その人が実際には犯していない誤りについて炎上が起こったり、まったく関係ない人が被害にあったりという被害もあります。そのような冤罪に対する炎上にあった場合に、炎上を起こした側が名誉毀損で訴えられることも実際にあったようです(詳細は以下の記事)。

私刑が支持されるのも解らなくはないが、割に合わないから止めた方が - Munchener Brucke

 

私刑のタイプについて分類しながら説明してくれています。分かりやすい。

愚民になりたくなければネット上に蔓延する「4つの私刑」から距離を置こう - ボンダイ

 

インターネットとの付き合い方について、子どもには今回の記事くらいのことは最低限、伝えてあげる必要があるのではと考えています。

 

 

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