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個性を自立力にするために興味を広げるべし

個性を自立力にするための子育てや教育のやり方について発信しています。発達障害の成人向けの話題も発信してます。クエストスクール代表荒川の個人ブログ

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少年A被害者遺族の慟哭:大人が介入する所としない所の線引をどう考えるか?

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藤井誠二氏の【少年A被害者遺族の慟哭】を読んで、子どもを育てたり中高生に日ごろ接している立場として対応すべきことについて頭のなかを整理しました。ここでかんがえることは、

  1. 犯罪加害者にしないために何ができるか
  2. 被害者にさせないために何ができるか

というふたつのことになります。なお本書には神戸連続児童殺傷事件以外にも複数の少年事件が掲載されています。

 

 

 

 

子どもを加害者にしないために何ができるか

本書を見るとわかりますが、犯罪加害者になってしまう少年は家庭に問題を抱えているケースが非常に多いのがわかります。家庭の問題というのは両親の不仲やDV、虐待というようなわかりやすいものから、「子どものニーズを上手く拾い上げて対応できていない」というややわかりにくいものまでのグラデーションがあるように見受けられます。私の頭のなかでは以下のような掛け算によって犯罪加害者になっていくパターンが生じると捉えています。

【家庭環境の良し悪しの度合い ☓ 子どもの不適応度】

家庭環境というのは、どちらか(または両方の)親の発達障害傾向や親自身が子ども時代に辛い家庭環境で育ったというようなことを伺わせる「言動の不思議さ」、などを含んで表現しています。また、ご両親が病弱で結果的に子どもの愛情不足が生じてしまっているようなケースもありました。子どもにとって適切な学び方を提供できているかということもここでは家庭環境として考えています。

ですが現状では、「親が何をしたら大丈夫なのか?」が分かりやすく示されているものがないので「良かれと思ってやったことが、悪い結果につながっている」ことを自覚することそのものが難しいという現実があります。そこで、私としてはスキーマ療法という心理療法の理論を利用して「子育てタイプ分析ツール」(ファンディングは終了)というのを開発&利用しているところです。もう少し、使い勝手を良くして広めたいと考えているところです。

「子どもの不適応度」については、発達障害の傾向がかなり強く現れているようなものから、いわゆる定型発達(発達障害の傾向がほぼない)まであります。発達障害がある場合、育て方が難しいこともあって親子での対立が生じやすいことや、子どもが上手く行かない経験をしやすいため荒れやすくなることが、結果的に犯罪につながるリスクを高めることになります。また、環境が発達障害傾向を強める(エピジェネティクス※)という知見もあるので、ここでもやはり家庭環境が影響しているといえます。

本書でも示唆されていますが、より大きな要因は家庭環境の良好さです。家庭環境のほうが発達障害そのものよりもずっと大きなリスク要因と考えるべきだと思います。「発達障害は犯罪と一切関係ない」でもなく、「発達障害が犯罪の最大の原因だ」でもない、現実に即した冷静な捉え方が必要です。

※以下はエピジェネティクスについても触れらている本です。「神田橋処方」と呼ばれる漢方の処方が発達障害の人の複雑性PTSD(フラッシュバック)に効果が高いというような話題が興味深いです。

 

 

 

 

子どもを被害者にさせないために何ができるか

被害者にさせないためにできるそうなことは、

  1. 何が犯罪につながることで、何が子供同士の遊びなのかを明確化する(線引)
  2. 犯罪につながることに遭遇した時にどうするかシミュレーションする

ということになると、今のところ考えています。線引が重要だと感じた理由となるエピソードにこんなものがありました。

主旨としては、親が子どもが顔に殴られたようなケガをしているのに気がついて「どうしたの?」と尋ねたら、子どもが「◯◯にやられた。だけどあいつは良い奴なんだ」と言う。そして、子どもを心配する親と、友人をかばおうとする子が対立してしまうというような内容です。その後、その子は集団リンチを受けて殺されてしまって、親御さんは激しく後悔なさっていました。

このようなケースがあることを考えた時に、子どもに対して遊びといじめ&犯罪の線引をしておくことが非常に重要であるといえます。線引の仕方について伝える必要があるのは少なくとも以下の点になると思います。

  • 暴力を振るう、お金を巻き上げる、というのは犯罪である
  • 犯罪行為は、友人同士の間で起こっても犯罪であることに変わりはない
  • 犯罪行為を大目に見るのを続けていると、被害を受け続けることになるだけでなく、加害している子が取り返しの付かない間違いを犯してしまうかもしれない
  • したがって犯罪行為を見逃していることは被害者加害者双方にとって悪い結果をもたらすので、大人が介入することが必要になる

それといじめに関する以下の本は参考になると思います。何をいじめというか?いじめがあった時に自分はどうすればいいか?についての基本的なことについて分かるのと、シミュレーションもできるようになっています。子どもを被害から守るだけでなく、加害する側にしないためにも役に立つかもしれません。

 

 

 

 

 

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