子育てには様々な考え方があります。ある人と別の人では、言っていることが間逆だということだってあります。今回は「けなされるほど、負けん気が育つ」という一昔前(今もある?)の体育会系的な考え方がどのような子どもの変化をもたらすのか考えてみましょう。
親の関わり方が、子どもにどのような思考を生じさせるか?
私の研究テーマは 「 親の関わり方が、子どもにどのような思考を生じさせるか?」です。「親が完璧主義」であった人や、「親が、できる所よりもできない所を指摘しがち」であった人にはネガティブな思考が生じて、それがいつも頭の片隅にある状態になっていくことが分かっています。子どもに生じるネガティブな思考の例としては以下のものがあります。
- もし、ぼくが好きな人が、ぼく(わたし)の悪い所を知ったら、その人はもういっしょにいてくれなくなると思う。
- ぼくは、何か悪いことが起きるような気がいつもしている。
- ぼく(わたし)は、上手にできることが何もないので恥ずかしい。
このようなネガティブな思考を持って、実際に負けん気を発揮できる子はほとんどいません(ごくたまにはいます)。失敗することが怖くなって、何もできなくなっていく子が圧倒的に多いようです。そして、このようなネガティブな思考は、うつ病になるリスクを高めていくことが分かっています。負けん気を育てるどころか、病気にしていってしまう恐れがあるのです。
そもそもの教育の目的が、「子どもが自分の力で生きていけるようになること」です。しかし教育の結果、子どもが病気になってしまうというのでは、大人にも子どもにも不幸なことだと言わざるを得ません。大人に善意や愛情があったとしても、やり方を間違えると、結果も間違ったものになってしまいます。とても残念です。
ではどうすれば良いのか?
親御さんが「できる所よりもできない所を指摘しがち」「完璧主義傾向」である場合、そうする代わりに以下のように関わっていくことがよいでしょう。
- 子どもとの関わりの中で楽しむことを大切にする。
参考記事:人が育つ時に大事なのは「興味の対象」ではなく「興味を持っている」という状態 - 子どもが何かを出来無い時に、効果的なアドバイスや手助けをする(やり方を工夫する)。
参考記事:学校では教えてくれないお金の教育:自立力とやる気を育てるお小遣いプログラム - 子どもが嫌な気分(悲しい、不安、辛いなど)の時に、子どもが安心できる言葉をかける。
このようなことが効果的です。