キラキラのダイヤモンドのドロドロな現実がわかる映画:ブラッド・ダイヤモンド
子どもなのに銃を持って戦わされる少年兵と呼ばれる子どもが世界にはいます。誰にどのようにしてダイヤモンドは発掘されているのか、なぜ少年兵が存在しなければならないのかのか。キラキラのダイヤモンドのドロドロな現実がわかる映画です。
▼こんな人にオススメ
・戦争や平和に関心のある高校生や大学生
・宝石好きな人
・発展途上国の支援をしたいと思っている人
▼誰がダイヤモンドを掘っているのか
作品の舞台となっている発掘場所はアフリカのシエラレオネ共和国。濁った池の中の底をザルですくってはダイヤの原石がないかを調べるという地道な作業をやっている大勢の男性がいます。
男性たちは自分の村から誘拐されて、労働力としてこの場所にやってきました。村から誘拐される時は、ばれないように拉致されるというようなものではなく、銃を持った反政府組織に村ごと襲われるのです。
働けそうな大人の男はダイヤモンドの採掘場に連れてこられます。働けなさそうな人はその場で殺されます。女性はレイプされて殺されます。子どもがは誘拐されて少年兵になるために洗脳されることになるのです。
▼少年兵になった子どもたち
反政府組織は、誘拐した子どもたちを少年兵にするために洗脳します。「村や親はお前を捨てた悪い人間だ」ということを何度も何度も言い聞かせたり、村から隠れ家に誘拐してきた人を銃で撃たせたりします。
こうして少年兵として成長した子どもは、少年兵は大人のテロリストと一緒に村を襲いに行くことになります。自分の手で、昔の自分と同じように平和に暮らしている村を襲い、新たな少年兵となる子どもを誘拐しに行くのです。こうして悲劇は繰り返されます。
▼反政府組織のボスも少年兵だった?
反政府組織のボスは作品の中で「オレは早くこの地獄から抜け出したいんだ」というセリフを言います。反政府組織のボスで、お金や贅沢品をたくさん扱えるのならそれなりに楽しんで生活していそうなものなに、です。
ぼくの想像ですが、もしかしたらこの反政府組織のボスも村から誘拐された子どもだったのでは?そしてその時の悪夢のような光景から逃れられないでいたのでは?誘拐され、洗脳され、逃げ出す術や知恵も持たず、助けてくれる大人もおらず、そのまま大人になり、自分と同じ不幸を大量に作り出す。絶望とはこういうことをいうのかもしれません。
▼日本に生きるぼくたちはどうするのか?
①「買わない」という遠回りな支援
ダイヤモンドを取り扱っている会社にデビアスがあります。映画の中にも実名で登場する会社です。デビアスはダイヤモンドが市場に流通する量を制限することで、自分たちに有利な価格になるように操作しているようです。
このようなやり方のせいで、ダイヤモンドは本来よりも高い価値で取引が行われているようです。そして、そのようなお金が結果的に反政府組織の資金源となり、反政府組織は労働力を得るために村を襲う。このようなサイクルができ上がっているようです。このサイクルを断つためにできることの一つが「ダイヤモンドを買わないこと」ということになります。
②「みんなで一緒に」生きていく
このブログで繰り返し紹介している黒柳徹子女史の言葉があります。結局これに尽きると思います。
私がいろんな子どもに会って、日本の子ども達に伝えたかったこと。
それは、もし、この本の中に出てきた発展途上国の子ども達を、
「かわいそう。」と思うなら、
「助けてあげたい。」と思うなら、
いま、あなたの隣にいる友だちと「いっしょにやっていこうよ。」と話して。
「みんなで、いっしょに生きていこう。」と、手をつないで。
<「トットちゃんとトットちゃんたち」より>
なぜ争いは起きるのか?なぜシエラレオネの村は襲われ、村人は悲惨な目にあわなければならなかったのか?なぜ子どもたちは少年兵にされなければならなかったのか?もし、誰もが「みんなで、いっしょに生きていこう。」と、手をつないでいられたら、悲惨なことは起きなかったはずなのです。
手をつないでできる小さな輪を、少しずつ大きくしていく。結局の所は、そういう単純なことなのだと思います。
▼この記事もオススメ