発達障害の大人の仕組み②:ハードの障害が発達障害、ソフトの障害がパーソナリティ障害
▼大人の発達障害の仕組みシリーズ
第2回 発達障害の大人の仕組み②:ハードの障害が発達障害、ソフトの障害がパーソナリティ障害
第4回 大人の発達障害の仕組み④:コミュ障=発達障害∪パーソナリティ障害
▼ハードの障害が発達障害、ソフトの障害がパーソナリティ障害
ここまでに人間をハードとソフトに分けて捉えることをしてきました。次は、もし、ハードやソフトに障害が生じるとどうなるのか、ということについて考えていきます。結論から言うと、ハードの障害が発達障害で、ソフトの障害がパーソナリティ障害であると言えます。
▼発達障害
発達障害とは、脳のどこかに何らかの問題があって生じるものだと考えられています。発達障害の人は、生まれながらの脳の性質として、つぎの4つの性質があるのです。尚、ここで説明する発達障害はアスペルガー症候群とADHDのみで学習障害は含みません。
①コミュニケーション以外のものに注意を向けやすい(空気読めない)
②ものごとにこだわりやすい(こだわりが強い)
③気を散らして様々なものを見てはそれに向かっていく(落ち着きがない、)
④ためらわずに行動する(衝動的)
▼パーソナリティ障害
パーソナリティ障害とは、極端な生活環境で育ったせいで生じることがあるソフトの障害です。極端な生活環境とは、過保護、放任し過ぎる、厳し過ぎる、自由過ぎる、期待され過ぎる、甘やかされ過ぎる、虐待される、何年も引きこもる、というような子どもの頃の環境のことを言います。
パーソナリティ障害をものすごくおおざっぱに説明すると、次のようになります。
①偏った考え方や、感じ方、行動の仕方をする
②自分の偏った考え方や、感じ方、行動の仕方を、状況に合わせて変えることができない
パーソナリティ障害にも10種類位あるのですが、全てのパーソナリティ障害に共通するのはこの2点です。
ちなみにパーソナリティ障害というといかにも病気っぽい感じがします。ですが、
- 誰にでもある性格上の偏りが、
- とても極端に、
- 長時間に現れる
のがパーソナリティ障害です。この3点を満たしたときに誰にでもある偏りが障害になるのだと考えてください。
▼両者の似ている所
発達障害の①〜④と、パーソナリティ障害の①〜②を見比べると、何がどう違うのか良く分からないのではないでしょうか。例えば、発達障害の「こだわる」ということとパーソナリティ障害の「偏っている」というのは同じことなのではないかとも解釈することもできると思うのです。このような事実から、現状の大人の発達障害の問題は、実はパーソナリティ障害の問題が紛れ込んでいるのではないか?とぼくは考えているわけです。
▼両者の違う所
見かけ上は似ているのが発達障害とパーソナリティ障害でした。ですが、わざわざ別の障害として扱っているのにはちゃんと理由があります。その理由とは、、、
①発達障害とパーソナリティ障害は原因が異なっている
②原因が異なっているので対処の仕方も異なる
この二つが理由です。
次回は生みの親と、育ての親。そして発達障害とパーソナリティ障害の関連について説明する予定です。