アスペルガーの人への効果の高いカウンセリングについての調査
論文の原題:An Integrated Model of Psychotherapy for Teens and Adults with Asperger Syndrome(2013)
要約の意訳
カナダでは近年、心理療法の専門家がアスペルガー症候群の十代や成人からのカウンセリング依頼を受けることが増えています。しかし、調子の悪さを抱えているアスペルガー症候群の個人にカウンセリングをするためには、専門家はさらにたくさんの知識を必要とするでしょう。この調査では、アスペルガー症候群の個人がカウンセリングに訪れる理由について考えます。ここでは、実際にあった、いくつかのケースについて紹介します。様々なカウンセリング技法がある中で、何をどのように組み合わせるのが効果的なのかについて考えていきます。いくつかの効果的な組み合わせについて紹介します。
※自閉症スペクトラム障害(ASD)には似ている表現が多数あります。自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などがあります。
▼荒川コメント
日本では薬物療法が主で、カウンセリングの対応はほとんど行われていないようです。カウンセリングを行うことが少ないのですから当然日本国内にはノウハウが蓄積されにくい状況にあります。そして、カウンセリング技法もどんどん効果の高いものが開発されていっていますが、日本ではそれが広がっていきにくい。カウンセリングに関しては、世界から非常に遅れをとっている状態があるのではないかと私は考えています。