自殺未遂をしたことがある人の特徴とは?
この調査では、自殺未遂を起こす危険性を高める要因(リスク要因)を、十代後半の若者1710人を対象にして調査します。
もっとも自殺未遂と関係しているのは、それよりさらに過去にあった自殺未遂の経験でした(つまり1回自殺未遂をしている人は、もう一度自殺未遂を起こす可能性が高いということです)。
自殺未遂を起こす危険性は次の要因を多く持っているほど高くなることが分かりました。
- 現在の抑うつの程度:少し気分が落ち込んでいるというものから、死ぬことを考えることがあるまでの程度があります。
- 過去に精神障害にかかった経験:うつ病、躁うつ病、統合失調症をはじめ、さまざまな障害があります。何らかの症状を起こしたことがあるほど、危険性が高まります。
- 悲観的なものの考え方:ものごとをネガティブに考えやすい傾向があります。例えば、
・人を必要としすぎるところがあるので,その人たちを失ってしまわないか心配になる。
・私が好きになる人はみんな,一度私の欠点を知ると私を愛せなくなるだろう
・私には常識が足りない
・何か良くないことが今に起きるのではないか,という不安が常に付きまとっているように思う
・仕事や学校ではほとんどのことで,私は人と同じようにはうまくできない
・私には物事を達成する能力が足りない
・状況から逃れたり,また自分の失敗を許すことができない、 - 学校での問題:ひどいいじめを受ける経験、逆にいじめをする経験、学業の不振などがあります。
- 健康上の問題:体調が悪いことが多い、身体障害がある、病弱である、強いアレルギー体質であるなどの、本人にとって辛い症状がある場合があります。
- 性別:男性よりも女性の方が自殺未遂を起こす傾向が高いようです。
原題:Psychosocial Characteristics of Adolescents with a History of Suicide Attempt
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