躁うつ病の薬が効かなくなってしまった時の治療方法
要約
躁うつ病の患者の中には、長期間にわたって薬を使っていたことによって耐性ができて薬が効かなくなってしまう人がいます。そして結果的に、病気に苦しんだり亡くなってしまう人がいます。そのような人のための治療として、断眠と光線療法を組み合わせる方法の効果を確かめる調査を行いました。
調査に協力してくれたのは60人の躁うつ病の患者です。34人は薬への耐性がない人、26人は抗うつ剤に耐性がある人、16人は抗うつ剤とリチウム塩両方に耐性がある人でした。
断眠では36時間起きて12時間寝るというサイクルを6日間で3回繰り返します。そして睡眠しているときの夜中3時に30分間、400ルクスの緑の光を当てます。また、毎日8〜9時にも光を当てます。(詳細は本文参照のこと)
結論としては、薬が効かなくなってしまった躁うつ病患者に断眠と光線療法の組み合わせはある程度の効果があると言えそうです。
▼荒川コメント
- ADHD(注意欠陥多動性障害)と躁うつ病を両方持っているときに、薬が効かなくなったりしたらどうやって対処するのだろうという疑問から見つけた研究でした。光線療法は季節性のうつ病の治療にも用いられることがある治療法で、海外では日本よりも多く使われているようです。引き続き光線療法についてもリサーチします。
- うつ病と躁うつ病は名前や症状こそ似ていますが、治療薬が異なる病気です。