ADHDの子どもを育てているお母さんはうつ病にかかりやすいのか?
要約の意訳
この調査で調べるのは、ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもが起こす困った行動の種類、子どもとそのお母さんの関係の良好さ、お母さんのうつの症状の関係、というものです。調査に協力してくれたのは、ADHDの子ども96人(6〜10歳)とそのお母さんです。(中略)。お母さんには用紙に記入してもらいました(子どもの特徴、お母さんのうつ症状、子育てのやり方、親子関係)。
子どもへの接し方が否定的なお母さんほど、うつ症状が強いようでした。お母さんのうつ症状が強いと、自分の子育てのやり方や子どものADHDの症状を否定的に見てしまう傾向にあることも分かりました。研究者が見た限りは、お母さんのうつ症状が強いからといって子育てのやり方が悪くなるように見えませんでした。しかし、お母さんは自分のやり方や子どものことを否定的に見てしまうため、結果的に本当に親子の関係がうまくいかなくなるようでした。(中略)。
▼荒川コメント
ただでさえ大変な子育てが、ADHDの症状によってさらに大変なものになります。そして、お母さんがうつになる危険性を高めてまうということでした。
考えていく必要があるのは、お母さんの健康を守ること、お母さんの健康が保たれることによって子どもの生活環境も守られる結果になること、の2つです。このことを考えた上で、お母さんへの治療や、子どもに対する治療について考えていく必要があるのではないでしょうか?
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