ADHDの子は、いじめの被害者にも加害者にもなりやすい?
この調査では、9〜14歳の子どもを対象にいじめについて調べました。協力してくれたのは、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されている生徒52人と、診断されていない生徒52人です。
ADHDの生徒はそれ以外の生徒よりもいじめを受けていると報告する割合が高いことがわかりました。また同時に、周囲の生徒に対していじめを行う割合が高いことが先生からの報告によってわかりました。
いじめを受ける割合についてはADHDの女子に多いことがわかりました。さらに、ADHDの生徒は他の生徒よりも、言葉、暴力、仲間はずれにされる割合が高いようでした。ADHDのある生徒は他の生徒よりも、いじめの加害、被害、加害と被害の両方、のいずれにもなりやすいようです。またADHDに関係なく、不安が強く恥ずかしがりで、社交性が低い子どもはいじめの被害を受けやすいようです。
原題:Peer victimization in children with Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder
▼荒川コメント
- 発達障害の子どもといじめの被害について調べているときに見つけた調査です。興味深いのはADHDの生徒は、いじめられるだけでなく、いじめる側に回ることも多いことが明らかになっている点です。
いじめというより「ちょっかいをだす」とか「意地悪をする」という表現に置き換えてみると、確かにあるかもな、と思った次第です。
いじめに関するソーシャルスキルトレーニングや、衝動性を抑えるための支援が必要になるでしょう。いじめの予防対策として効果の上がっていることについても要リサーチです。 - ADHDだけでなく自閉症スペクトラム障害を取り上げたいじめの調査もあります。今後取り上げます。