日本行動分析学会の『「体罰」に反対する声明』を補足します
日本行動分析学会から『「体罰」に反対する声明』が出されました。そもそも体罰とは何なのか?苦痛とは何なのか?そのようなよくある疑問に対する回答があり一読の価値があります。「体罰」に反対する声明ー日本行動分析学会
▼「よくある疑問」に書かれている質問
声明には次のような疑問に対する回答が記載されています。詳しくはリンク先のPDFをご覧ください。
- 何をもって「苦痛」と定義するのか?
- 本人や保護者が「体罰」に同意するならいいのではないか?
- 効果があればいいのではないか?
- 「体罰」はなぜなくならないのか?
- 暴力を振るう生徒を放置していていいのか?
- 体罰以外の方法はないのか?
▼体罰を行うことの損失
以前書いた記事の引用です。
- 体罰を行うことが明るみに出た場合、先生が処分を受ける
- 体罰を受けても勉強やスポーツの成績が上がらない生徒の方が実は多い。
- 体罰を受けた生徒はPTSDになる危険性がある
- 体罰を目撃している周囲の生徒にもPTSDを起こす危険性がある
- 体罰を受けた生徒は将来、アルコールや薬物の乱用を行うようになる危険性が高まる
- 日常的に暴力を用いることを肯定する人格を作ってしまう危険性が高まる。これは健全な人格形成という教育の目的に反する。
- 体罰を受けた生徒は将来、自分の妻や子どもに暴力を振るうようになる危険性が高まる。
- 親から暴力を受けて育った子どもは、周囲に対しても暴力を用いる危険性がある。(暴力の世代間伝達)
引用元:教育に熱心なすべての方へ、体罰の損益分析をお見せします
▼体罰が及ぼす影響に関する記事
私がこれまでにレビューした海外の体罰/虐待に関する研究もあわせてご覧ください。
- 未発表論文:体罰の被害および目撃とPTSDとの関連、長期的な影響について
- うつ症状のある若い成人と、子どもの頃に体罰を受けることの長期的な影響
- 教育に熱心なすべての方へ、体罰の損益分析をお見せします
- 親の暴力が孫の代にまで残す影響とは?
- 親に虐待された子どもはどんな大人になるのか?
- 思春期の少年少女における、親同士の間で行われる暴力の目撃と、PTSDと攻撃性