うつ病による経済損失は年間24.6兆円!?

うつ病は多くの人がかかっている病気です。2020年には世界で2番目に多い病気になると予測されています。うつ病は、慢性化しやすく治療にお金がかかります。うつ病によって経済はどの位の損失を受けているのでしょうか?金額はアメリカドルです。
▼うつ病の人の割合
期間ごと(過去一ヶ月、生まれてから今まで)にうつ病の症状の有無を調べると次のような割合であることが分かっています。
過去一ヶ月 1.8〜3.3%
生まれてから今まで 4.9〜17.1%
▼うつ病による経済損失額
うつ病の治療のために使われるお金は年間430億ドル(約44.1兆円)と試算されました。また、うつ病で働けないことによって稼ぐことができなかったお金(機会損失)は170億ドル(約17.4兆円)と試算されました。
抄訳した論文の原題:Screening for Depression in Adults: A Summary of the Evidence
▼荒川コメント
- この調査はアメリカでの試算でした。非常におおまかな計算で、日本におけるうつ病による経済損失額を試算して見ましょう。
日本の人口÷アメリカの人口
=126,535,920 ÷ 310,383,948 ≒ 40%
出典:Wikipedia:世界の人口順リストここで得られた40%を治療費と機会損失額に掛けると、
治療費:約44.1兆円 × 40% ≒ 17.6兆円
機会損失:約17.4兆円 × 40% ≒ 7.0兆円
合計 約24.6兆円
うつ病は個人の健康と幸福を損なうだけでなく 、社会に対しても非常に大きな影響を与えることが分かりました。うつ病の治療方法や、予防方法を開発していく必要があります。
追記:日本国内でもうつ病の経済損失を試算したデータがいくつかあるようで、額は調査によって異なります。アメリカと日本の額の違いには、カウンセリングを受ける人の割合の違いが大きいのではないかと予想しています。