自閉症スペクトラム障害は3タイプに分けて理解すると支援しやすい

- 作者: ローナウィング,Lorna Wing,久保紘章,清水康夫,佐々木正美
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群)の子どもを支援する際に難しいのは、子どもによって様子がまったく異なることがあるからです。自閉症というものに対する知識が全くない状態で、何人かの子どもを見たら本当に同じ障害なのかと疑いたくなるかもしれません。自閉症のタイプを以下の3つに分けて理解しましょう。
- 孤立型
- 受動型
- 積極奇異型
▼孤立型
周囲の人から離れる傾向があるタイプです。聴覚や視覚に過敏さがあったり、人からの関わりを不快に感じることが多い子どもの場合、一人になりたがる傾向があります。
対策:
どんなことが不快に感じるのかを調べて、不快に感じにくい環境を確保して安心させてあげることが大切です。人との関わりの練習はストレスの少ない相手と場所を選んで始める必要があります。
▼受動型
自分から積極的に他者と関わろうとはしませんが、相手が関わってきたら応じるというタイプです。印象としては従順で言うことを聞く子だと大人には思われやすいと言われています。他者からの言うことを聞いてばかりで、ストレスを貯めやすいとも言われています。
対策:
最初に相手からの関わりをどう感じているのかを確かめます。そして感じていることをどう伝えると良いのかについて練習していく必要があります。
▼積極奇異型
自分から積極的に他者と関わろうとしますが、どこかコミュニケーションがちぐはぐしているという印象があるのがこのタイプです。人との関わりが「じゃれる」「ちょっかいを出す」という印象が多いとも言えるかもしれません。
対策:
他者に対する関心は高いですから、どうするとお互いに楽しく関われるのかについて練習していく必要があります。
▼まだまだある個人差:知能、興味関心、過敏さの有無
この他にも知能の違いや、興味関心の対象の違い、周囲の様子に過敏だったり、逆に鈍感だったりということがあります。そのような違いの全体像を捉えながら、その子にあった支援を組み立てていく必要があります。
※自閉症スペクトラム障害(ASD)には似ている表現が多数あります。自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などがあります。