自閉症に間違われることもある統合失調症。かかる人は100人に1人
統合失調症は幻覚が見えたり幻聴が聞こえるという症状が現れる障害です。人を避けるように見える症状(陰性症状)が自閉症と間違われることがあると言います。どの位の人が統合失調症にかかるのか調べてみましょう。
統合失調症の割合を調べている188の調査を調べると調査によって結果がまちまちなことがわかりました。割合が低いものだと0.3%、中くらいのものだと0.7%、高いものだと2.7%という結果です。だいたい1%程度という認識が一般的なようです。
▼どんな人に多いのか?
統合失調症には男女差はあまりないようです。統合失調症を併せ持っているケースが多いと言われる自閉症スペクトラム障害は、男性に多いことが分かっています。うつ病は女性の方が多いです。
外国から移住してきた人も統合失調症の割合が多いようです。自国を離れて生活していることによるストレスと関連があるのかもしれません。
抄訳した論文の原題:A Systematic Review of the Prevalence of Schizophrenia
※自閉症スペクトラム障害(ASD)には似ている表現が多数あります。自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などがあります。
▼荒川コメント
- 統合失調症の症状を大別すると、陽性症状と陰性症状になります。陽性症状では脳の活動が活発になり、幻覚や独り言が多くなります。陰性症状は陽性症状の期間の後に起こるもので、「意欲の消失」の状態になります。
- ストレスがかかることを避けたりストレスのかかる状況に対処できるようにして、症状の繰り返しが起こらないようにすることが大切です。これは精神障害に共通するポイントです。
- このように活動レベルが上がる時期と下がる時期があるということから、個人的には躁うつ病との関連が気になる所です。また自閉症スペクトラム障害との関連も強いようです。今後の要リサーチ案件です。
- 海外の学会で「ひきこもり」について発表したら「統合失調症の誤診ではないか?」と指摘を受けるようなこともあったそうです。似ている症状はたくさんありますから一人で抱え込まず専門家に相談することが大切です。