DV(家庭内暴力)の加害者にはパーソナリティ障害の症状があるのか?

パーソナリティ障害のある人がDVの加害者になるケースが多いと言われています。この調査では119人のDV加害者の男性にどのような特徴があるのかを調べました。
割合の多いパーソナリティ障害は次のものでした。
自己愛性パーソナリティ障害 24.6%
強迫性パーソナリティ障害 21.9%
妄想性パーソナリティ障害 17.5%
自己愛性パーソナリティ障害の人に特徴的な思考(早期不適応的スキーマ)の例は以下のものです。
- 自分は特別だから、社会のルールに従う必要はない
- 今楽しいことを犠牲にして,将来のためになることをするのがとても苦手だ
強迫性パーソナリティ障害の人に特徴的な思考の例は以下のものです。
- 人を必要としすぎるところがあるので,その人たちを失ってしまわないか心配になる。
- 何か良くないことが今に起きるのではないか,という不安が常に付きまとっているように思う。
境界性パーソナリティ障害と反社会性パーソナリティ障害の人に特徴的な思考の例は以下のものです。
- 人を必要としすぎるところがあるので,その人たちを失ってしまわないか心配になる。
- 今楽しいことを犠牲にして,将来のためになることをするのがとても苦手だ
▼荒川コメント
- このようにDVの加害者にはパーソナリティ障害が関与していることがわかりました。これが意味していることは加害者も支援が必要な問題を抱えていると言うことです。カウンセリングを行うなどの「加害者支援」の視点が必要です。ただし「被害者が堪え忍ぶ」のは支援ではありません。市などの相談窓口に相談しましょう。
- DVにもいろいろな種類があります。
- 身体的虐待:身体に暴行を加えること。
- 性的虐待:パートナーが望んでいないのに性交渉を強要する。
- 社会的虐待:交友関係を制限する。束縛が愛情表現であるという考え方がエスカレートすると社会的虐待になります。
- 精神的虐待:暴言やひどい言葉を浴びせる。批判や敵意を向けることが頻繁にある。冷たい態度で接する。
- 経済的虐待:お金を渡さない。また、パートナーが希望しているにもかかわらず仕事もさせない。