心臓ドキドキから死の恐怖まで:パニック障害の13の症状

突然のパニック障害が起こる人には強いストレスがかかります。発作が起きることをいつも不安に感じることによって、不安障害やうつ病になりやすくなるようです。
5913人を対象にした調査がアメリカで行われました。症状の軽いものから順にリストアップすると以下のようになります。
- 呼吸が早くなる
- 心臓がドキドキする
- 手や体が震える
- 汗をかく
- 呼吸困難になる
- めまいがする
- 現実感がなくなる
- 感覚がマヒする
- 熱い/寒い感覚に襲われる
- 吐き気がする
- 胸に痛みを感じる
- 自分をコントロールできなくなる
- 死の恐怖に襲われる
抄訳した論文の原題:Assessing DSM-IV symptoms of panic attack in the general population: An item response analysis
▼荒川コメント
①
1〜4までの症状は、緊張する場面に遭遇すれば誰にでも起こるもののように見えます。例えば、人前で何かを発表するとか、大事な試験の時などにはこのような症状を体験したことがある人がほとんどでしょう。
ですが、日常の何気ない状況においてこのような症状が頻繁に出てくると、本人は非常に辛い思いをします。例えば、電車に乗るとき、買い物に出かけるとき、学校の校門をくぐるとき、などです。そのような場合は、一度専門医に診てもらうといいかもしれません。
②
パニック障害とPTSD(心的外傷後ストレス障害)は症状としては似ています。ですが、症状が起きるようになる原因が異なります。
PTSDの場合は心的外傷体験が原因となります。心的外傷体験とは、交通事故に遭う/目撃する、深刻な病気にかかる、暴力を受ける、という類いの体験のことです。
一方、パニック障害は心的外傷体験のような強烈なきっかけが原因になるのではなく、日頃の慢性的なストレスが蓄積していくことによって症状が現れます。
どちらの場合でも専門医を受診する必要があります。カウンセリングの例としては、ストレスが大きい場面と小さい場面をリストアップして、ストレスの小さいものからクリアしていくというやり方を採る場合があります。
③
パニック障害とは異なりますが、過敏性腸症候群は緊張が身体症状(この場合は腹痛)を引き起こすという点で近いもののように感じます。以前私は過敏性腸症候群の状態になったことがあって、電車に乗るのがものすごく苦痛だったことを思い出しました。
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