自閉症スペクトラム障害の人は妄想を持ちやすいのか?
自閉症スペクトラム障害のある人には、統合失調症の症状である妄想が現れる傾向があると言われています。コミュニケーション上の障害のために疑心暗鬼になりやすいことも原因の一端にあるようです。
自閉症スペクトラム障害もしくはADHDの症状のある人を対象に、他の精神障害の有無を調べました。
統合失調症を合併している人の割合は以下のとおりでした。
統合失調症の併存
自閉症スペクトラム障害 3.1%(129人中4人)
ADHD(注意欠陥多動性障害) 0%(161人中0人)
躁うつ病の合併についても調べると、次のことが分かりました。
躁うつ病の併存
自閉症スペクトラム障害 7.0%(129人中9人)
ADHD 5.0%(161人中8人)
※自閉症スペクトラム障害(ASD)には似ている表現が多数あります。自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などがあります。
▼荒川コメント
- 自閉症スペクトラム障害の人には、妄想性パーソナリティ障害も多いことが分かっています。「空気を読む」ことが難しいため、自分がうまくコミュニケーションを取れているのか自信が持てないことが妄想の一因になります。ちなみに一般人口における統合失調症の割合はだいたい1%程度と言われています。
関連記事:自閉症に間違われることもある統合失調症。かかる人は100人に1人 - 「空気を可視化する」ためのコミュニケーションのあり方を当事者も周囲の人も身につけることによって、当事者も含めたみんなの生きやすさが変わってきます。「空気を可視化する」ためのアプローチとしてイイトコサガシがやろうとしていることは大変面白いと感じました。コミュニケーションの試行錯誤を、安心して楽しく行うことができることを目指して活動されています。
- ADHDでは躁うつ病との関連が強いことが分かっています。
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