カーテンて何で閉める必要あるの?アスペルガー傾向の子にカーテンと防犯について伝えるコミック会話
アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害、ASD)の傾向のあるお子さんは、他者の視点に立って想像することに難しさがあります。そのような難しさがある場合、お母さんが「暗くなったらカーテン閉めてね」とその子に伝えても、理由がわからなくて結局カーテン開けっ放しというようなことが起こります。アスペルガーの子独特の理解の仕方に合わせた伝え方について考えてみましょう。尚、この方法はクエストスクールの生徒のお子さん(中学生)にやってみて実際に理解が深まったものです。
伝える内容
以下のような順序で、カーテンを閉める必要性について説明していきます。
- 太陽が出ている明るい時間と暗い時間で、外から家の中の見え方がどのように変わるのか?
- 家の中がよく見える状態になった時に、どんな人がどんなことを考える可能性があるのか?
- 防犯のために、子どもでもできることはなにか?
1:明るい時と暗い時で、外から家の中の見え方がどのように変わるのか?
太陽が出ている明るい時間には、室外から室内は見えにくい状態になります。逆に、太陽が沈んで暗い時には、室外から室内がよく見えるようになります。
この事実について知らない子の場合には、明るい時間と暗い時間に、実際に自分の家の中がどのように見えるかを親子で確認するといいでしょう。
(目の仕組みから「なぜそのように見えるのか」について説明することもできます。これは人体の仕組みに興味がある子に対して説明してあげてもいいかもしれません。
ちなみに、明るい所では瞳孔が狭くなって光を目の中に取り込みにくくなります。その状態で相対的に暗い所を見ると、光を十分に取り込めないのでその場所をよく見ることができなくなります。
逆に、暗い場所では瞳孔が広くなって光を目の中に取り込みやすくなります。その状態で相対的に明るい所を見ると、光を十分に取り込るのでその場所が見えやすくなります。)
2:家の中がよく見える状態になった時に、どんな人がどんなことを考える可能性があるのか?
このステップでは、ノートに絵を書いて見てもらったほうが理解しやすくなります。
カーテンが開けっ放しになっていると、外から家の中が丸見えになってしまいます。もし、家の中にいるのが中学生だけだと分かったら、泥棒は「この家なら大丈夫だ」と判断して押し入ってくることがあるかもしれません(泥棒というか強盗ですね)。
3:防犯のために、子どもでもできることはなにか?
カーテンを閉めている場合は、家の中が見えません。家の中が見えないので、泥棒は中の様子がわかりません。中の様子がわからないので、「この家に入ろう」という判断をしにくくなります。カーテンを閉めるということは、家を安全に保つためにとても大切なことなのです。
生徒の反応
最初に親御さんが子どもに向かって「なんでカーテンて閉める必要あるの?」と尋ねた時には「わかんない」と答えていました。その後にこの説明をすると、「なるほど」と言っていました。
他者の視点に立って想像することに弱さがある場合には、状況の全体像を絵で描いて説明してあげると効果的な場合があります。
やりやすくするために
子どもがカーテンを閉める必要性を理解したとしても、暗くなった時に実際に閉め忘れてしまうようなことも生じます。そのために、以下のような対策を取ることができます。
①18時頃になったらタイマーが鳴るようにしておく。
②カーテンを閉めることに報酬をつける。(この生徒さんの場合には、お小遣いプログラムの中に「カーテンを閉めること」を加えることにしました。1箇所閉めるごとに30円という約束を親子でしました。)
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